スカイツリーの断面図


スカイツリーの断面図(左)を見て、このところ気になっていた疑問が解けた。
疑問というのは、この前のブログでも書いたが、市川の江戸川河川敷から見るスカイツリーがちょっと右に傾いてみえるのは気のせいだろうか?という疑問だ。ツリーの左側のシルエットが右側に比べて痩せてみえるのだ。さらに、不思議な事に、傾いて見える場所から少し離れるとまっすぐに立っているように見えるから、どうにも不思議だし気になってしょうがなかった。

そう、
僕は思いこんでいたのだ。スカイツリーは完全な円錐形だと。だから、遠くから見るとそのシルエットは左右対称に見えるはずだと。

実はスカイツリーの形はなんと2つのしかけがあったのだ。
①三角から円へ
・低層部が正三角形で上に行くに従い円に変化する
②「そり」と「むくり」
・三角形の頂点が描くカーブは日本刀の持つ「そり」、
・円形に変化するカーブでは奈良・平安時代の寺院建築の列柱がもつ中央がゆるやかに膨らんだ「むくり」が入っている

そりゃ、下層部が一辺68メートルの正三角形だったら、横から見える鉄骨の密度だって傾きだって、左右対称になるわけがない。見る場所によっては傾いてみえるかもしれない。と納得した。

技術と芸術と文化が融合した素晴らしい建造物なのだ。これが電波塔として役に立つのだから立派だ。
あんな高いところでの現場作業も相当に技術と勇気のいる仕事だろう。

スカイツリーの設計をした日建設計スカイツリーの特設サイトをつくっている。その他の技術的情報も掲示されているので、興味のあるかたは是非一読いただきたい。上の断面図もそこにあった。
http://www.nikken.co.jp/ja/skytree/