#50 日本人にはもう売るな!〜ネットで世界進出する方法

 国内にしか市場を持たない企業は、
 どんなに頑張っても売上げが伸びない。
 そういう時代がやってくるのです。

日本人にはもう売るな!ネットで世界進出する方法 (PHPビジネス新書 70)

日本人にはもう売るな!ネットで世界進出する方法 (PHPビジネス新書 70)

 本を開くと右カバーにそう書いてある。
 確かにそんな時代になってしまったなあ、と思いつつこの本を買った。

 著者は、モジ株式会社代表取締役の菅谷義博氏。海外オタクにアニメグッズを販売する「プラモヤオンライン」を運営し、そのノウハウを活用し、海外向けECサイト構築サービスを展開している。

 1章 鎖国するニッポン では、日本のケータイ関連市場があっという間に成熟し消耗戦になった上に、世界では通用しない・認識されていず(所謂ガラパゴス化)を日本市場のモデルとして取り上げ、更に少子化によって世界の過疎地化すると述べている。

 つまり、国内市場は、すでに成熟し縮小に向かっています。
 国内市場にモノを売るのは、過疎地で死にそうなおじいさんを相手に商売をするようなものだということ。
 そんな商売が儲かるわけがありませんね。 (P.37)

 スバリと不安を言い当てられたようで、しかも強烈な表現であるし、やや気持ちはうわずる。

 じゃあ、どうすりゃいいの? という当方の問いには、
 2章 ネットで世界に挑む で、JR九州、GDH、ゴンゾロッソ、TOKYOPOP、丸井、シャルマン、プラモヤオンライン 等の、世界を相手にネットで商売を拡げて成功しているケースを揚げている。

 もっと具体的な方法を教えて という更なる質問には、
 3章 「ネットで世界進出」は可能か? で、具体的な6つのステップを紹介している。
 ステップ1:日本から一歩も出ないで海外のニーズをつかむ方法
 ステップ2:海外オークション、マーケットプレイスでテスト販売
 ステップ3:海外にネット広告を出すには
 ステップ4:英語力はTOEIC450点でもOK?多言語でビジネスする方法
 ステップ5:海外との金銭のやりとり
 ステップ6:海外への配送

 
 海外向けECサイト構築サービスをビジネスにしているだけあって、とてもロジカルに演繹法でまとめられている上、誰でも簡単にできそうで、お金も殆どかからない手法を紹介している。つい、その気になって、菅谷氏にコンサルティングを頼んでみたくなるくらいだ。
 しかし、実際に海外向けECサイトを始めるためには、ここに書かれている以外にも、givenな条件はいくつかあるし、成功するための要因もいくつかあると思う。(商材の選び方、独自性、運営者の商材知識等)この本の中ではこれらについてそう多く語っていないのは、多分筆者のコンサルティングの領域によるものだろうと思う。

 演繹法で海外ECサイトを始めたい方、
 商材と熱意はあるがサイトの作り方がわからない方、  
 にオススメ。