絶望の国の幸福な若者たち

インパクトのあるタイトル。
『そうなんだよなあ』と思い手にとってパラパラとめくってみた。
26歳の社会学者『古市憲寿』氏の軽妙洒脱な若者言葉での語り口ながら、切れ味鋭い『若者論』を展開している。
これはおもしろいと思い、すぐに購入し一気に読んだ。
豊富に引用されている論文、データ、インタビュー、書籍も、わかりやすく説明していて(ページの下部に脚注が山ほど書いてあるし)、予備知識の不足している人たちもどんどん読み進めていける工夫がしてある。
引き合いに出している歴史上の偉人も、今も生きている学者や政治家やインテリもみんな『○○なおじさん』『○○な老人』呼ばわり(勿論、非若者である彼らをカテゴリ付けしただけなんだけど)、で、さらっと簡潔に説明しているのも、妙に心地よく聞こえる。つっかかってきている攻撃性も意地悪も感じないくらいにうまく言い当てているからだろう。
若者の部下・同僚・子息を持つおじさんとおばさん、若者論の好きなおじさんとご老人、新卒採用や第二新卒採用にたずさわる人事部、そして人材ビジネスの方々には、現在の若者を理解するのに良い一冊となるだろう。

それにしても、ただただ脱帽の26歳の社会学者だ。

絶望の国の幸福な若者たち

絶望の国の幸福な若者たち