人材の見分け方

 クラブW杯の決勝に、バルセロナが駒をすすめた。
 メッシ、イニエスタ、シャビ、プジョル等の下部組織カンテラ出身選手で主力を固めるバルセロナは、強さと魅力を兼ね備えている世界一にふさわしいクラブだ。


 『日本サッカー再生計画!清水から世界へ!スペトレ軍団の挑戦』という番組で、カンテラの育成責任者のインタビューを見たことがある。

 「可能性のある選手の見つけ方は?」との質問に対し、
 「判断力」「技術」  と答えていた。

 メッシ、イニエスタ、シャビ、プジョルらを少年の頃に見いだし、世界的な名選手に育成した実績があるだけに、ずしりとくる。わずか12,3歳で判断力と技術を身につけていることが、世界的名選手になれる基本条件というのだから、とても厳しく狭い道だ。


 さて、新卒社員や若年社員が育たないと嘆く経営者や管理職は多い。採用基準・方法の間違いか、受け入れ体制の不備か、育成方法の間違いか、これら全部か?と悩みはつきない。

 サッカー好きの僕は、ビジネスとサッカーは共通点が多いと思っている。集団同士の競争で、ひとりひとりの選手の役割が全体としての戦略や戦術をベースとして決められていて、局地戦では1対1の戦いで、自分の頭でプレイを早く正確に判断する臨機応変の対応が必要である、といったところは全く同じである。

 「判断力」「技術」の高さにプライオリティを置いて新卒や若年者を採用する会社は殆どない。コミュニケーション能力と自己分析とPR能力に比重が置かれているところが多い。後はなんとなく社風に合いそうかどうかといったところか。

 世界的名選手が欲しい会社はそうはないかもしれないが、成長する若い人材が欲しいという点では、サッカークラブも会社も同じだ。

 会社でも『判断力』と『技術』を主な採用条件にするとどうなるか? 考えてみたい。