#08 やんちゃ坊主の顔


毎週土曜日の夜6時〜9時の間、サッカーをしている。近所のサッカー好きの若者からおじさんまでが集まってゲームを楽しんでいる。僕ら40才過ぎのおじさん達は、瞬発力や走力や体の強さを活かしたプレイはあまりしない。疲れるし怪我をしたくないからだ。もちろん接触プレイも激しくはしない。

そんな中、20代か30代の若者が瞬発力や接触プレイの強さで、40過ぎのおじさんを抜き去ったり吹っ飛ばしたりする時がある。もちろんゲームの流れの中での勝負の局面であるが。

置き去りにされ、グランドにひっくり返っているおじさん達の「昔取った杵柄」プライドに火がつく。
40過ぎとはいえ、毎週トレーニングしている体、「5分くらいなら勝負できる」と思い、若者に真っ向勝負を仕掛け返す。
接触プレイで若者をよろけさせ、ボールを奪い、次は一瞬のフェイントとスピードで抜き去る。


周りから歓声があがる。
若者は「やられたっ。」という顔をしているが、
本人は得意げで「まあこんなもんよ。」みたいな、いかにも「やんちゃ坊主の顔」をしている。
なんともさわやかな瞬間である。
「やりやがった。」とみんなが思う瞬間でもある。


さて、場面は変わって、40代以上の転職希望者の方とお話をしているときに、この「やんちゃ坊主の顔」に出くわすことがある。
過去の成功や失敗にまつわる武勇伝を話されるときだ。
「どんなもんだい。」だったり、「やってしまったんですよね。」だったりするのだが、とてもさわやかな印象を受ける。
そして、事の重大さやすごさと同時に「さわやかさ」を伝えられる人柄に惹かれる。
人によっては単なる自慢話やシリアスな失敗談にしか聞こえない場合もあるから、一層際立つ。


あんなさわやかな「やんちゃ坊主の顔」を自分もしているだろうか? できるだろうか?


そうしたい。と思う今日この頃でした。