電子書籍大国アメリカ 大原ケイ

ルポ 電子書籍大国アメリカ (アスキー新書)

ルポ 電子書籍大国アメリカ (アスキー新書)

NY在住出版エージェントの大原ケイ氏が、電子書籍先進国アメリカの実態をかなり具合的に書いている。読者、出版社、著者、流通、そしてアマゾン、グーグル、アップルなどのキープレイヤーたちのスタンスや動向もわかりやすく説明している。冷静且つ的確な分析も小気味いい。

最終章からあとがきにかけて、日本の出版業界への辛辣ではあるが愛着を感じる率直な指摘や提案もある。電子書籍は日本の出版業界の『蜘蛛の糸』ではないとの言葉は的を射ている。日本ではいつも何かが流行っていてマスコミが煽るだけ煽って、国民もそれを猛烈求めるが、その熱もあっという間に廃れるとも指摘している。また、日本の出版社の方が米国に比べて短期的な利益を追っているとも言っている。

電子書籍に興味のある方、出版業界に勤める方、マスコミに踊らせられたく無い方等にオススメの本。