ストーリーとしての競争戦略

なにせ分厚い本だ。

著者の楠木建には馴染みがある。坊主頭にヒゲ面の学者で、ちょっとくだけた感じの語り口が持味だ。大前研一のビジネスブレークスルーで講師もしていた。

タイトルも気になる。ストーリーという捉え方は実践的だ。個別な要因がいくつも絡み合った中での経営戦略の優劣があり、結果としての業績がある。

前書きにこう書いてある。

この本のメッセージを一言でいえば、優れた戦略とは思わず人に話したくなるような面白いストーリーだ、ということです。

確かにそうだ。

サッカーを引き合いに出して説明しているところが頻繁に出てくる。ちょっとやりすぎなんじゃないのと思うところもあるが、サッカー好きの僕にとってはおもしろい。

学者のスタンスを明確にしたうえで、実務家向けに理論づけを説いている本。おすすめ。