人材紹介の仕事がわかる本

人材紹介の仕事がよくわかる本

人材紹介の仕事がよくわかる本

 人材ビジネスの経営支援を行うリクルーターズ株式会社社長の小松俊明氏が書いた本。
 人材コンサルタントに関わる実務的な話が満載の1冊。ありそうでなかった一冊。
 人材紹介会社向けに研修サービスを行っている会社だけあってよく整理されていて、初心者には全体像を掴む本ととして、ベテランコンサルタントには自分自身を振り返る本として、経営者には現場の点検ポイントを一覧できる本として使えそうだ。また、新規参入を考えている人にも貴重な参考書になるだろう。

 4年前にこの本を読みたかった。


 人材紹介はやりがいもあるし社会的要請の高い事業だが、経営資源と事業の進捗バランスを一歩間違うとあっという間に転落するリスクもある。そんなことまでも書いてある。

 この本では業界の将来図については殆ど述べられていない。鉄鋼、通信、Webメディア業界と競争と技術革新を経験してきた僕にとっては、競争の先にある未来がとても気になるところである。僕なりの理解は以下だが、本当にそうなのだろうかといつも気になっている。

  • 競争のエンドゲームとして1社総取りにならない業界
  • 言い換えると、規模で上位の1〜3社に入らなくても、独立性を維持しながら成長できるし、特定分野に絞ることでも勝算がある業界
  • 資本力の勝負にならない業界
  • 社員の個人個人の力がそのまま会社の力に直結している業界
  • ネット上で全てが完結しにくい業界(face2faceのプロセスが消滅しにくい)
  • ネットを通じて外国から突然に競合会社が参入してくる可能性が低い業界(地場産業的な面がある)
  • 仕事がどう会社に、社会に、人に役立ったかがダイレクト且つ明確にわかる業界
  • お客さん(企業と求職者)から心の底から「ありがとう」と感謝されることも少なくない業界