昔にもどったみたい

 Impress Watchの役員を退任しアイネクストに専念するようになって、仕事に占める情報収集の時間が随分と軽くなった。
 Impress Watchは、コンシューマー向けのデジモノ・IT系情報サイトだったから、競合サイトのコンシューマー向けの商品サイトや雑誌はもちろんのこと、新しい商品は秋葉原で現物を確認し、新しいサービスのサイトが出ると早速会員になり使ってみていた。普通の人より新しい商品・サービスを知っていること、使ったことがある等、コンシューマー視点を持っていることが仕事をする上での必須条件であったから、これらは趣味も兼ねて楽しみながらやっていた。こんな毎日だから、翌日の新聞のIT・電気メーカー・ネット・通信業界に関するニュースは大旨予想できたし、翌日の新聞は再確認程度に軽く読み飛ばしていた。デジモノの雑誌もぱらぱらめくって確認といった感じだった。

 さて、現在はどうか。
 以前程はニュースサイトをマメに見ていないので、新聞で知るニュースが多くなった。ネットよりは半日遅れにはなるが仕事上は問題はない。それに、新聞だと、一般社会人として知っていれば良い情報量としてまとめてあるので、過不足感を感じることもない。ニュースの他に特集や解説もあるので時系列で整理するのにも役立つ。と、いうことで、また新聞がおもしろく読めるようになった。家で日経と読売を読み、会社で日経産業新聞を見ればとりあえず充足する。勤務時間帯にニュースサイトやサービスサイトをチェックする時間はわずかで済む。以前の追い立てられるような情報収集は必要ない。経済雑誌や経済サイトをじっくり読めるくらいの余裕すらある。

 さて、この1〜2ヶ月はこの空いた時間をどう使おうかといろいろと考えたり、試したりしてきたが、ようやくも目星がついてきた。あまり暢気なことも言ってられない人材ビジネスの経営環境でもあるし大きな会社でもない。経営はもちろんのこと、利益に直結する活動量を増やさなくてはと思っているところだ。

 こんな感じで仕事をするのは久しぶりだ。通信会社やコンサルティング会社をやっていた頃の感覚だ。消費しない情報収集。誰よりも先に網羅的に知っていることが価値の全部ではない世界に戻ってきた。リアルな世界で物、人、情報、お金が一体となって動いていくダイナミズムをより体で感じている。

 またオーナー社長に戻ったことだし、ある意味、リハビリ中でもある。