お茶の水
弊社は湯島1丁目にある。JRお茶の水駅から聖橋か御茶ノ水橋を渡り東京医科歯科大学の裏手、本郷通りと蔵前橋通りが合流する交差点の近くだ。歩いて数分である。本郷三丁目駅、末広町駅、秋葉原からも数分から徒歩10分程度なので意外と便利な場所である。
お茶の水と本郷三丁目の駅は、予備校と大学の専門課程のとき通学で利用していた。橋から見える神田川、御茶ノ水駅のプラットフォーム、堤防の木々の風景は今も変わらない。
一浪した大学入試の時、30分ほど遅刻してJR御茶ノ水駅から丸の内線の御茶ノ水に乗り換えるため走って御茶ノ水橋を渡っていると、後ろから僕の名前を呼ぶ奴がいた。振り返ると慶応に行った高校時代の親友Kだった。彼も走っていた。
『おおー!久しぶり。何してんのこんなところで? 悪いけど、俺、これから東大の二次試験で、もう遅刻しているし、時間が無いんだ。』と僕が言うと、
『俺も二次試験なんだ』とKがいう。
『えっ、お前も?しょうがねえなあ。遅刻すんなよ』とあきれて、2人してまた走った。
『受かったら、慶応やめんのか?』と僕が聞くと、
『わかんない』とKは答えた。
そんなこともあった。
Kとは結局大学でもクラスメートになるのだが、エンジニアとしてサラリーマンを数年勤めた後、家業を継ぐ形で若くして経営者になり、社長業では僕の先輩になる。今でも、年に1、2度は旅行行ったり、酒を飲んだりするのだが、今でも経営者としての共通の話題を持てるのはうれしい。
御茶ノ水にいると、いろいろと昔の記憶が戻ってくる。やっぱり、年かも知れないけど。