なし崩し

民主党が分裂した。小沢元代表が消費税アップに反対し離党/除籍となる。
そもそも二大政党制を実現するための寄り合い所帯で、政治理念や手法を同じくする集団ではなかった訳で、二大政党制が上手く機能しないとわかったからには、お互いに我慢して徒党を組む必要もない。この点でみれば、潔いし、己の主張を貫き通す強さ、政局の判断としては正しいと思う。
一方、消費税アップのタイミングとプロセスが問題だらけなのは衆知の事実であるにも関わらず、健全野党が猛烈に反対することもなく、マスコミも大騒ぎすることなく、デモが頻発するわけでもなく、小沢一郎だけが離党/除籍するという事件だけで、進んでしまっていいのだろうか? そんな気持ち悪さや違和感、なし崩し感が僕にはある。


そもそも、政治や行政は税金を決めて、集め、公共の福祉や利便等の為に使う訳だが、そのシステム自体が増税のモチベーションを持っている。政治家や官僚は自分の仕事の範囲や権限を出来うる限り大きくしたい。そうすることで評価を得て、出世や権力維持拡大をしていく。一方、使ったお金のパフォーマンスや結果に責任を取ることは希で、仕分けにあうぐらいだ。
これはリスクを取って大きな金融商品を作りだし多く売れば売るほど、利益やインセンティブを得る金融会社とディーラー達の構造と類似していないだろうか?
しかも、失敗したときの代償は当事者は誰も支払わず、結局国民/株主負担ということも同じではないか?
乱暴すぎる例えだろうか?


失敗することを前提で、政治や資本主義とつきあっていく必要がある。
飼い慣らすのか? 飼い慣らされるのか? サーフィンするのか? 棹さすのか?
ときには爪をひっかくぐらいの人がいた方が健全な気もする。