リスク

世界の金融市場ではリスク回避の流れが止まらない。
世界同時株安の中、為替は震災直後に円高に大きく振れた後に、円安に一旦戻ったもののこの1ヶ月は戦後最大の円高水準で膠着している。
野田元財務大臣の時に円売り介入したが2〜3日で元に戻り、その後口先介入を何度も繰り返していることで、更なる円高は防いでいるのかも知れないが、円安に振れることもなく77円前後を行ったり来たりしている。

専門家は『欧米のソブリンリスクと景気後退リスクに反応して、日本円とスイスフランそして金に投機マネーが集中している』『日本は増税余地と対外債権があるのでソブリンリスクは起こらない』などと言っている。僕自身はその理屈が良くわかってはいないが、もっともらしい説明だ。

それにしても、世界から聞こえてくるニュースは、政治に失望している国民の声、厳しい経済競争に疲弊したり敗れた市民の声だ。
欧米しかり、アジアしかり、アフリカにおいては圧政に苦しんだ市民革命が連鎖的におこっている。

自分はじっとしていても、リスクを背負ってしまっている。それがグローバル化した経済なんだろうけど、じゃあ、勝ち馬に乗れとばかり、新興国にどっとマネーが押し寄せあっという間にバブルや過当競争が出来あがったりするから、これまたリスクを背負ってしまう。

結局、リスクからは逃げられないと腹をくくるしかない。

己でとれるリスク、回避するリスクを見極めながら、手堅く行くのも良し、蛮勇をふるって挑むのも良し。己のキャパ次第。

しかし、日本の失われた20年でデフレ、株安、不動産価格下落にマイナスの影響を受けなかったのは、円で貯金を続けた人だけであり、このところの円高では対外的にはプラスの影響を受けているというから、『何もしない』のが当分はいいのかなあ。なんて思うと、この20年間、投資に励んだり、起業家としてリスクを取りまくりジタバタしてきた自分がちょっとバカみたいな感じになってくるのは精神衛生上良くない。

それなりに楽しかったし、今も楽しいけどね。と思うことにする。
そして、生き方は変えない。