模様替え

 今日は朝から雨でサッカーの練習も無い。ブログでも書くかなとPCに向かってみたが、何も浮かんでこない。
 先週の土曜日は、西表島でシーカヤックを必死で漕いだなあ。海はいいなあ。
ということでブログの模様替えです。夏が終わるまでこれで行こう!


 さわやかになったところで、書評をひとつ。
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非線形ノート#78】

 52歳でマクドナルドを創業したレイ・クロックの自伝『成功はゴミ箱の中に』をぱらぱらと読み返して見た。タイトルだけから勝手に想像してしまって『成功体験はゴミ箱に捨てろ』みたいなビジネス本かなと思ってしまったが、そこはマクドナルドの創業者の本であるからして全く違っていて、文中の

 (マクドナルドの)競争相手のすべてを知りたければゴミ箱の中を調べればいい。知りたいものは全部転がっている。私が深夜二時に競争相手のゴミ箱を漁って、調べたことは一度や二度でない

から取った日本語タイトルのようだ。原題は【 GRINDING IT OUT: THE MAKING OF MACDONALDS 】だからかなり違う。
 内容はレイ・クロックの赤裸々な七転び八起きの創業物語だ。ボロボロな肉体を引きずりながら会社を大きくするだけでなく、離婚・不倫・結婚を繰り返すエネルギッシュでベンチャー魂溢れる老いてなお盛んな男の成功物語と言ってもいい。彼のお気に入りの説教はこうだ。

 やり遂げろ − この世界で継続ほど価値のあるものはない。
 才能は違う − 才能があっても失敗している人はたくさんいる。
 天才も違う − 恵まれなかった天才はことわざになるほどこの世にいる。
 教育も違う − 世界には教育を受けた落伍者があふれている。
 信念と継続だけが全能である。

成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝―世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者 (PRESIDENT BOOKS)

成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝―世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者 (PRESIDENT BOOKS)



 もう一冊読み返した。大前研一の『50代からの選択』。2004年の本だが、現在は集英社文庫から文庫本も出ている。大前研一が52歳(1995年)で東京都知事選に出馬し、青島幸夫に大敗した時をキッカケに、自分自身の人生を振り返り政治活動から撤退し、おだやかで枯れた味わいのある人間になれた事(自称)を引き合いに出して、

 (50代以上の人に)オールクリアしろ、成仏しろ、と繰り返し僕が述べているのは、その方がずっと生きやすいからだ。50歳にもなって、ファイティングポーズ丸出しで生臭く生きるより、成仏して自分の楽しみを追求した方が、ほとんどの人にとっては幸せだと思う。
 僕自身、青島幸夫さんの4分の1の票も集められずに都知事選に敗れたことで、すっかり成仏してしまった。人生に関していえば、何かを成し遂げたいとか、もうちょっと仕事をしたい、評判を上げたい、といった欲は一切なくなった。

と言っている。大前研一氏は相変わらず怪気炎を上げ続けているように見えるので、ちょっと説得力には欠けるが、凡人というか普通の人に勧める生き方としては一理ある考え方である。
 一介のミキサーのセールスマンだったレイ・クロックが肉体的・精神的にボロボロになりながらも52歳で創業し前に進み続けたのとは対極にある。

50代からの選択

50代からの選択


 願望もたな、あきまへんで。


松下幸之助稲盛和夫さんは言い続けたそうだ。
『成功』か『成仏』か、どちらの願望を持つかでは偉い違いだ。